絵文字 【emoji】
概要
絵文字(emoji)とは、小さい簡単な絵(イラスト)に
文字コードを割り当て、
コンピュータ上で文字として扱えるようにしたもの。様々な表情の顔、身体の部位、道具、生き物、マーク、シンボルなどが存在する。
笑っている顔や親指を立てた手、ハートマーク、自動車といったように、日常的に目にする存在や概念を、一文字分の領域に簡単なカラーイラストとして表現し、それぞれ固有の文字コード(文字の識別番号)を割り当てて英数字やひらがな、漢字などと同じ文字の一種として扱うものを指す。
特定のシステム向けのものは1960年代頃から新聞社で使われているものなどが知られているが、現在のように広く一般的に用いられるようになったのは、1990年代後半に日本の高機能携帯電話(現代でいう「ガラケー」)が文字コード規格を独自に拡張して絵文字を採用し始めたことがきっかけであると言われている。
当時は携帯電話会社(キャリア)ごとに独自のコード体系を用いており同じキャリアの端末同士でしか正確に表示することができなかった(他社の端末に送ると別の絵文字に「文字化け」する)が、スマートフォンの時代になると米大手二社(アップル、グーグル)などが仕様の統一を推進し、国際的な文字コード標準規格「Unicode」(ユニコード)のバージョン6(2010年)から絵文字の採録が始まった。
現在では単に絵文字といった場合はこの「Unicode絵文字」のことを指し、1800以上の絵文字が収録されている。英語圏では以前から「:-)」のように文字を組み合わせて顔を表す “emoticon” (エモーティコン)が使われていたが、Unicode絵文字のことは日本語をそのまま使い “emoji” (読みは本来エモジだが、英語風にイーモジと読む人が多い)と呼ぶ。
ちなみに、日本語文字コードには古くから記号文字(「◆」「※」「〒」など)が存在するが、これは句読点や鉤括弧といった約物から派生したもので絵文字とは区別される(絵文字と一部重複はある)。また、複数の文字を組み合わせて顔などを表現した「顔文字」(^_^;など)や「アスキーアート」も、既存の文字を組み合わせたもので絵を一文字にコード化したものではないため区別される。
Unicode絵文字一覧
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(株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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