パリティチェック 【parity check】 奇偶検査
概要
パリティチェック(parity check)とは、データの誤り検出方式の一つで、ビット列中に含まれる「1」の数が偶数か奇数かを表す符号を算出してデータに付加する手法。最も単純な誤り訂正符号で、1ビットの誤り検出しかできないが算出や検証が容易で高速なため広く普及している。データはコンピュータ上では「0」と「1」が並んだビット列として表されるが、これを一定の長さのブロックごとに区切り、各ビットの値を足し合わせた値が奇数であるか偶数であるか(「1」の数が奇数か偶数か)を表す1ビットの値(パリティビット)を末尾に付加する。
パリティを含むデータを受け取った側は、各ブロックごとに同じようにパリティを算出し、付加されたものと比較する。両者が一致すれば、そのブロックには誤りが存在しないか偶数個あることが分かり、一致しなければ奇数個の誤りがあることが分かる。
実用上、短く区切られたブロック中に同時に複数の誤りが生じる確率は低いため、パリティが一致すれば誤りが無く、一致しなければ1ビットの誤りが生じたとみなしてデータの再送や破棄などの制御を行う。
偶数パリティと奇数パリティ
パリティビットの値は、ブロックの各ビットとパリティを足し合わせた時、その偶奇性が常に同じになるように設定される。
全体の和が偶数になるように決められる(ブロック中の1の数が奇数なら1、偶数なら0)ものを「偶数パリティ」(even parity)、奇数になるように決められる(1の数が奇数なら0、偶数なら1)ものを「奇数パリティ」(odd parity)という。
水平パリティと垂直パリティ
一定の長さのブロックごとにパリティを算出して末尾に付加する方式を「垂直パリティ」(vertical parity)と呼び、単にパリティチェックといった場合はこの方式を指すことが多い。
一方、連続する数ブロックごとに、各ブロックの同じ位置にあるビット群をグループ化してパリティを算出・付与する方式を「水平パリティ」(horizontal parity)という。
両者を併用した「垂直水平パリティ」が用いられる場合もあり、パリティ用の記憶容量は約2倍必要になるが、同じブロック中の偶数個の誤りを検出したり、1ビットの誤りの訂正を行うことができる。