ルート 【root】
概要
ルート(root)とは、根、根本、根元、根源、基底、底、本質、語幹、累乗根、先祖、故郷などの意味を持つ英単語。IT分野では、木のように枝分かれした構造の根本にあたる要素や、そこから派生した概念を指すことが多い。木構造(ツリー構造)のデータで、最上位に位置し親を持たないノードのことを「ルートノード」(根ノード)あるいは単にルートという。木に見立てたときに根元の位置にあたるためにこのように呼ばれる。逆に、最下位に位置し子を持たないノードは「リーフノード」(葉ノード)という。
また、木構造を応用したシステムなどでも、最上位の要素はルートと呼ばれる。例えば、階層構造のファイルシステムでは最上位のディレクトリやフォルダを「ルートディレクトリ」「ルートフォルダ」というが、これを略してルートと呼ぶことが多い。
LinuxなどのUNIX系OSでは、システムに最初から組み込まれている管理者アカウント(スーパーユーザー)のユーザー名は慣用的に「root」に設定されている。ログイン時のホームディレクトリがルートディレクトリであったことからこのように呼ばれるようになったとされる。
rootユーザーはシステムに対するあらゆる権限を持つ万能の管理者アカウントであり、悪用や乗っ取りの被害に遭うと影響が大きいため、日常的な作業には権限を限定した他のアカウントを使用し、どうしても必要なときだけroot権限を利用するという運用が行われることが多い。
ちなみに、経路、道筋、路線、手段などの意味を持つ “route” とは英語では同じ発音([ru:t])で綴りが異なり、日本語の外来語としては同音異義語となる。アメリカ英語では route を「ラウト」([raut])と発音して root とは区別する場合もある。日本語の外来語としては数学の根号「√」のことをルートと呼ぶ。
(2023.3.24更新)