サイクルタイム 【cycle time】 サイクル時間
ある工程を開始・着手してから、次に同じ工程を開始する(できるようになる)までの時間のことである。複数の系統で並列に工程を実施できる場合(同じ生産ラインが複数ある場合など)は、工程にかかる所要時間を系統の数で割った値がサイクルタイムとなる。
例えば、ライン生産方式の工場で、3分のサイクルタイムで各工程が完了する場合、3分に1個のペースで製品が完成することになる。一方、稼働時間と生産数が与えられ、これを達成するために一工程にかけられる時間を逆算したものを「タクトタイム」(ピッチタイム)という。
コンピュータのサイクルタイム
コンピュータについてサイクルタイムという場合は、各回路の動作タイミングを同期させるクロック周期(クロックタイム)のことを指すことが多い。
コンピュータ内では基板上のICチップや回路、チップ内の素子などの間で信号の送受信や処理のタイミングを合わせるため、「クロック信号」(clock signal)という一定の周期の信号に合わせて一斉に動作するようにできている。
この信号が毎秒何回のペースで発振するかを「クロック周波数」(clock frequency)と呼び、現代のコンピュータでは毎秒数億回(数百メガヘルツ)から数十億回(数ギガヘルツ)に及ぶことがある。このクロック信号の周期をクロックタイムあるいはサイクルタイムと呼ぶことがあり、周波数の逆数となる。例えば、クロック周波数が1GHzであればサイクルタイムは10億分の1秒(1ナノ秒)となる。
同じコンピュータの内部でも装置や回路によって異なる周波数で動作することもあり、主基板(マザーボード)上の伝送路などを駆動するクロック信号の周期を「マシンサイクルタイム」、メインメモリ(RAM)のクロック周期を「メモリサイクルタイム」、CPUのクロック周期を「CPUサイクルタイム」など呼ぶことがある。