エクスペリエンス 【experience】

概要

エクスペリエンス(experience)とは、経験、体験という意味の英単語。ITやビジネスの用語としては、人間がある特定の対象物(機器やシステム、サービス、組織などの場合がある)との関わりを通じて得られる体験の総体、およびそこから生じる印象や認識のことをエクスペリエンスという。

対象物自体の状態や性質(機器であれば機能や性能、内容、使い勝手など)よりも、人間がそこにどのような形で関わりを持つことになるか、それによって主観的に感じる経験がどのようなものになるかに着目する概念である。

例えば、人間がコンピュータやソフトウェアを操作する手段や方法、および機器側から人間への応答の伝達の仕方を定めた体系を「ユーザーインターフェース」(UI:User Interface)というが、それに従って実際に操作したときにどのような使い方になるのか、それを人間がどのように感じるかという「利用者にとっての経験」のことを「ユーザーエクスペリエンス」(UX:User Experience)という。

IT分野やビジネス分野では、これと同じように人間と人工物や情報、サービス、組織などの関わりを「体験」を軸に分析する手法が広まっている。システム開発者にとって開発環境が与える体験である「デベロッパーエクスペリエンス」(DX:Developer Experience)、顧客にとって企業や事業、製品が与える体験である「カスタマーエクスペリエンス」(CX:Customer Experience)、従業員にとって勤務先が与える体験である「エンプロイーエクスペリエンス」(Employee Experience)といった具合である。

(2021.5.14更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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