スムーズスクロール【smooth scroll】スムーススクロール
スムーズスクロールとは?

かつてコンピュータの描画性能が低かった時代には、処理負荷を抑えるために一行分や一画面分といったまとまった単位で表示を切り替えて表示枠を移動するのが一般的だった。グラフィックス処理能力の向上とともに、1ピクセルや数ピクセル単位での細かい移動を高速に繰り返すことが可能となり、スムーズスクロールが普及した。
スムーズスクロールの利点として、スクロールの方向・速度・移動量が視覚的に把握しやすく、コンテンツ上の現在位置や前後の文脈を直感的に追いやすい。また、慣性スクロール(イナーシャスクロール)と組み合わせることで、操作をやめた後も徐々に減速しながらスクロールが続くようにすることができる。これはスマートフォンなどタッチ操作の機器で多用される描画方式である。
一方、素早くページを移動したい利用者にとっては、遷移に時間がかかることが操作効率の低下として感じられる場合もある。また、脳の前庭感覚の過敏さから、スクロールアニメーションで乗り物酔いに似た不快感を覚える利用者も存在するため、アクセシビリティの観点からも配慮が求められる。
多くのアプリケーションソフトやWebブラウザでは、設定によってスムーズスクロールの有無を切り替えたり、アニメーション速度や加速度などの挙動を調整できるようになっている。例えば、Webページの見栄えを記述するCSSでは「prefers-reduced-motion」メディアクエリを用いると、アニメーション低減を設定した利用者に対してスムーズスクロールを無効化することができる。