ヒューリスティック評価 【heuristic evaluation】 ヒューリスティック調査 / ヒューリスティック分析
概要
ヒューリスティック評価(heuristic evaluation)とは、Webサイトやソフトウェアなどのユーザビリティ(使い勝手や分かりやすさ)を評価する手法の一つで、制作者や専門家がガイドラインや自身の経験則などに照らして評価する方式。開発者やユーザーインターフェース設計の専門家などが少人数で行なう評価法で、ユーザビリティに関する原則(ヒューリスティクス)をまとめたチェックリストやガイドラインなどを用意し、各評価者がそれぞれの項目に照らしてサイトをチェックし、問題点を列挙する。
各評価者の評価作業が終わったら集まって各項目について議論し、問題の整理を行う。評価は組織内で策定した原則や、専門家の提唱しているガイドラインなどを用いて、観点や評価項目、基準などをある程度揃えて行なうのが望ましいとされる。
専門家でもなく制作にも携わっていない外部の被験者を集めて実施する「ユーザビリティテスト」(ユーザーテスト)に比べ、時間や費用がかからず、被験者に実際に見せられるものが用意できない開発の初期段階でも実施できる。ただし、評価の質が評価者の知識や経験に大きく左右されるという問題もある。
1990年にユーザビリティの専門家であるヤコブ・ニールセン(Jakob Nielsen)博士らが開発した手法で、同氏は評価時に用いるヒューリスティクスである「ニールセンのユーザビリティ10原則」も提唱している。このような原則に加え、評価者自身の知識や経験則なども加味して評価を行う手法は「エキスパートレビュー」とも呼ばれる。
(2023.3.24更新)