トグル 【toggle】

概要

トグル(toggle)とは、留め釘、ダッフルコートの棒状のボタンなどの意味を持つ英単語。ITの分野では、同じ操作や処理によって二つの状態が交互に切り替わるような仕組みのことをこのように呼ぶ。

コンピュータの操作画面上で、同じ操作によってオンとオフが切り替わるような操作要素を「トグルボタン」(toggle button)あるいは「トグルスイッチ」(toggle switch)という。押すたびに再生と一時停止が切り替わるメディアプレーヤーの再生ボタンなどが該当する。

利用者がボタンをクリックあるいはタップすると、即座に対応する状態が反転し、ボタンの表示もアイコンが切り替わったり、色が反転したり、丸いハンドル部がスライダー部の上を左右に移動したりすることで状態の変化を知らせる。設定画面などでの項目のオン・オフの指定などに多用される。

トグル動作は実世界のスイッチでも馴染み深いが、表示されたボタンの状態が「現在の状態」を指すのか、「押すとどうなるか」を表しているのか分かりにくい難点がある。開発者が個別にボタンのデザインや挙動を決めるため、ソフトウェアによって表示や動作が逆になってしまうこともある。

プログラミングの分野でも、同じ処理や命令の実行によって二つの状態が交互に反転するような処理のことを「トグル動作」「トグル処理」などと呼ぶことがある。例えば「x=1-x」という代入文は、初期状態が x=0 の場合、実行するたびにxが0なら1に、1なら0に切り替わる。

(2025.8.8更新)

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