ペースト 【paste】 貼り付け

概要

ペースト(paste)とは、貼り付ける、のり、練り物などの意味を持つ英単語。ITの分野では、コンピュータの操作法の一つで、コピー(複製)操作などで取得したデータを、指定した位置に出現させる操作をペーストという。

ペースト操作はメインメモリ上の一時的なデータ保管領域であるクリップボードclipboard)にある文字や画像などのデータを、カーソルマウスポインタなどで指定した位置に出現させる。ペーストしてもクリップボード上のデータは消えないため、何度も同じデータを繰り返しペーストして複製することができる。クリップボードが空の場合はペースト操作をっても何も起きない。

これに対し、指定したデータクリップボードに複製する操作を「コピー」(copy/複写)、指定したデータを(その位置からは消去して)クリップボードに転送する操作を「カット」(cut/切り取り)という。ペーストはこれらの操作をセットで用いられ、コピーと連続的に組み合わせることを「コピー&ペースト」、カットと組み合わせることを「カット&ペースト」という。

ペースト操作はマウスなどでメニューから呼び出して指示することもできるが、文字の編集などで頻繁に繰り返す場合などには操作が煩雑になるため、パソコンではショートカットキーを利用することが多い。標準的なソフトウェアでは慣用的に「Ctrlキー+V」(MacではCommandキー+V)がペースト操作に割り当てられている。

クリップボードは原則としてオペレーティングシステムOS)が管理しており、他のソフトウェアでコピーやカットした文字列などをペーストすることもできる。同じソフトウェア内だけでなく異なるソフトウェア間のデータの複製や移転などの手段としてもよく用いられる。

ただし、ペースト先のソフトウェアが対応していない形式のデータをコピーしてもペーストできない。ソフトウェアによっては独自に複数の異なるデータクリップボードに保管できるようにしたものもあり、ペースト時にどれを貼り付けるか選択できる。

(2022.5.21更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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