NetWare
概要
NetWareとは、かつて米ノベル(Novell)社が開発・販売していたサーバ向けオペレーティングシステム(OS)。「ネットワークオペレーティングシステム」(NOS:Network Operating System)と呼ばれ、LAN上のサーバ構築・運用に用いられた。1980年代後半から1990年代前半頃に人気の高かったソフトウェア製品で、現在では一般的な汎用のOSにネットワーク機能を付加したものとは異なり、コンピュータをネットワーク上でサーバとして動作させるのに特化している。クライアント側には汎用のOS(当時はMS-DOSが多かった)にNetWareサーバへアクセスするためのソフトウェア(NetWareクライアント)を導入して接続する。
プロトコル(通信規約)としてネットワーク層には「IPX」(Internetwork Packet Exchange)、トランスポート層には「SPX」(Sequenced Packet Exchange)と呼ばれる独自のものが利用されたが、後にインターネットなどで一般的なIP(Internet Protocol)にも対応した。
高度なアカウント管理機能やネットワークセグメントを超えてルーティングを行う機能があり、また、多数のコンピュータを一つのネットワークに接続することが可能だったため、当時普及が進みつつあった企業などの構内ネットワーク(LAN)のサーバ用OSとして特にアメリカで広く普及した。
1990年代後半になるとサーバ向けOSとしてWindows NT Serverや各種商用UNIX、LinuxやFreeBSDなどのいわゆるPC-UNIX(フリーUNIX)などの人気が高まり、インターネットと同じIPでLANを構築するイントラネットが一般的になったこともあり、NetWareの人気は衰えた。
(2024.1.13更新)