情報化社会 【information society】
概要
情報化社会(information society)とは、情報が主要な資源と同様の大きな価値を持ち、経済・社会活動の主要な要素の一つとして生産、流通、消費される社会のこと。また、そのような状況が進みつつある社会のこと。現代社会において情報は、水や食料、エネルギー、工業製品といった重要な資源に比肩する価値を持ち、産業や生活の中で大きな役割を担っている。経済の中で情報の生産や流通が一大産業として興隆し、情報や情報技術が社会や国家の維持や発展、人々の日常生活や仕事に欠かせない要素として機能している。
このような社会の情報化が意識されだしたのは1960年代頃と言われている。当時は第2次大戦後の経済発展や科学技術、工業の発達により、先進各国においてテレビ放送や電話の普及、映像や音楽、出版、報道など情報関連産業の発展が見られた。狭義には、このような情報化が進展しつつある社会を指して「情報化社会」と呼び、情報化が進んだ社会は「情報社会」として区別する場合がある。
1990年代からはパソコンやインターネットの急激な普及が始まり、情報化はコンピュータ応用製品と通信ネットワークを中心とするデジタル化へと発展している。情報技術の発展と普及によりメディアや情報の利便性や効率性は高まり続けているが、一方で情報化から取り残された国や社会集団が生じるデジタルデバイド、ソーシャルメディアを通じた社会の分断など新たな問題も生じている。
(2024.5.15更新)