STP 【Spanning Tree Protocol】 スパニングツリープロトコル / スパツリ
概要
STP(Spanning Tree Protocol)とは、物理的な配線にループ(円環)状の経路を含むネットワークで、データが無限に循環し続けることを避けるための制御方式を定めたプロトコル(通信規約)の一つ。IEEE 802.1Dとして標準化され、スイッチやルータなどの通信機器(集線装置)に実装されている。STPを用いてネットワーク内の機器が制御用のデータを送受信し、ネットワーク管理者が指定したルートブリッジと呼ばれる装置を根とする木構造(ツリー構造)を構成する。木構造から外れループを構成しているリンクのうち、根から最も遠いものは遮断(ブロック)され、データの送受信が行われなくなる。これにより、ブロードキャストフレームなどがループ経路上を永遠に回り続けることを防止することができる。
BPDU(Bridge Protocol Data Unit)と呼ばれる制御データは一定時間ごとにネットワーク上にブロードキャストされ、ブロックされた経路も疎通確認のため送受信される。経路上で障害が発生し通信が途切れると、これを検知して遮断されていたリンクを開放し、迂回経路としてデータが流れ始める。機器や回線が回復すると代替経路は再び遮断され、元の状態に戻る。
(2018.5.31更新)