インピーダンス【impedance】

概要

インピーダンスとは交流回路における電圧と電流の比。直流回路における抵抗に相当する値で、単位はΩ(オーム)。直流の抵抗(レジスタンス)を実数部、コイルやコンデンサによるリアクタンスを虚数部とする複素数で表され、値が大きいほど電流が流れにくいことを示す。
インピーダンスのイメージ画像

直流回路では電気の流れにくさは抵抗のみで表されるが、交流回路ではコイル(インダクタ)やコンデンサも電流を妨げる働きをする。コイルは電流の変化を打ち消す向きに起電力を生じ、コンデンサは電荷の蓄積・放出によって電流を制限する。このような擬似的な抵抗を「リアクタンス」といい、インピーダンスはレジスタンスとリアクタンスを合わせた複素数として定義される。

コイルのリアクタンスは周波数が高いほど大きくなり、コンデンサのリアクタンスは周波数が高いほど小さくなる。そのため、交流回路では同じ電圧を加えても周波数によって流れる電流の大きさが変化する。この性質を利用して特定の周波数だけを通過・遮断するフィルタ回路が実現でき、無線通信機器や音響機器などの設計に応用されている。

インピーダンスの概念は電気回路に限らず、波動現象が生じる分野全般に応用できる。電磁波の伝搬特性を表す「特性インピーダンス」、光の透過・反射を扱う「光学インピーダンス」、音の伝わりやすさを表す「音響インピーダンス」などがあり、それぞれ波の伝達特性や境界面での反射現象の解析に用いられている。

インピーダンスマッチング (インピーダンス整合)

電子機器や通信ケーブルを相互に接続して電気信号を伝送する際、送信側と受信側でインピーダンスが一致していないと、接続点で信号の一部が反射して波形が乱れたり電力損失が生じたりすることがある。この問題を避けるため、両者のインピーダンスを一致させる調整を「インピーダンスマッチング」(インピーダンス整合)という。

同軸ケーブルなど有線の高周波通信では50Ωや75Ωといった規格化された値が用いられており、ケーブルやコネクタ、機器の設計もそれに合わせて行われる。インピーダンス整合には専用の回路素子や変成器(トランス)が用いられることが多く、アンテナ設計や音響機器など様々な分野で重要なポイントとなる。

(2026.6.16更新)
 

他の辞典等による「インピーダンス」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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