SD-WAN 【Software-Defined Wide Area Network】
概要
SD-WAN(Software-Defined Wide Area Network)とは、広域回線網(WAN)における伝送経路の選択などを、ソフトウェア制御により物理的な構成に縛られず動的かつ柔軟に行えるようにすること。WANへのSDN(Software-Defined Network)の応用。専用線やインターネット、各種VPNなどの広域回線、オフィスやデータセンター、クラウドサービス、リモートやモバイルの端末といった様々な接続拠点の通信機能を一元的に監視・管理し、物理的な接続形態に捉われず柔軟に通信制御を行う。
例えば、同じ端末からの通信を、アプリケーションの種類などに応じて異なる回線を経由するよう誘導し、社内システムへはVPNを、クラウドサービスへは直にインターネットへ接続するといった使い分け(インターネットブレイクアウト)ができるようになる。
また、複数の広域回線を同時にアクティブな状態に保ち負荷分散を行ったり、重要性の高い用途に優先的に帯域を確保(QoS)したり、機密性の高いデータは専用線、低いデータは安価なインターネットVPNへ振り分けてセキュリティとコストのバランスを取るといった制御も容易になる。
SD-WANの制御はオーケストレーターと呼ばれるシステムが中心となり、各拠点に設置されたエッジ装置が制御の実行と状態の監視を行う。現在の設定や通信状況は管理システムに集約され、ダッシュボードなどの統合された操作画面で一元的に把握・操作することができる。エッジの設定は設置後すぐに遠隔から行うゼロタッチプロビジョニング(ZTP)を基本とし、導入や管理の省力化を図る。
(2021.9.18更新)