IPX/SPX 【Internetwork Packet Exchange/Sequenced Packet Exchange】
概要
IPX/SPX(Internetwork Packet Exchange/Sequenced Packet Exchange)とは、コンピュータネットワークでパケット通信を行うための通信プロトコル(通信規約)の一つで、かつて米ノベル(Novell)社の「NetWare」(ネットウェア)などでよく利用されていたもの。IPXとSPXはそれぞれ個別のプロトコル仕様で、両者を組み合わせて使用することが多かったためこのように呼ばれる。IPX(Internetwork Packet Exchange)はOSI参照モデルの第3層(ネットワーク層)に該当するプロトコルで、複数の物理ネットワークを超えてパケットを送受信するのに用いられる。SPX(Sequenced Packet Exchange)はIPX上で動作する第4層(トランスポート層)のプロトコルで、二地点間に仮想的な通信路(コネクション)を確保して安定的に通信を行えるようにする。
NetWareはネットワーク上のサーバの構築・運営に特化したOSで、IPX/SPX上で「NCP」(NetWare Core Protocol)と呼ばれるプロトコルを利用して通信する。後にIP上でもNCPを利用できるようになったため、NetWareで構築したネットワークが必ずしもIPX/SPXを利用するとは限らなかった。
NetWareは1980年代頃に企業内LANの構築などで人気を博し、IPX/SPXもLAN上での利用を主に想定した仕様となっていた。1990年代後半になるとインターネットの急激な普及やインターネット技術をLAN構築・運用に取り入れるイントラネット方式の浸透に伴い、企業内LANなどでもIPが標準的に利用されるようになり、IPX/SPXはNetWareと共に廃れていった。
(2024.1.13更新)