次世代ファイアウォール 【next generation firewall】 NGFW
概要
次世代ファイアウォール(next generation firewall)とは、ネットワーク境界で不審あるいは不必要な通信を識別して遮断するファイアウォール製品の分類の一つで、アプリケーションレベルで通信の可否を判断する機能を持ったもの。従来のファイアウォールは、通信相手のIPアドレス、送信元や宛先のポート番号、TCPの通信状態に矛盾がないか(ステートフルパケットインスペクション)などを元に通信の許可や拒否を判断するのが一般的だった。
次世代ファイアウォールはこれに加え、アプリケーション層(HTTPなど)の通信内容を解析(ディープパケットインスペクション)し、どのアプリケーションが通信を試みているのかを識別したり、外部からの不審なアクセスを探知(IDS/IPS:侵入検知/防止システム)し、可否の判断に加えることができる。
近年ではWebベースのシステムで提供されるネットサービスやアプリケーションが増えており、従来型のポート番号ベースの判断では詳細な制御が難しくなりつつある。次世代ファイアウォールであれば一般的なWeb閲覧は許可しつつ特定のWebサービスの利用を禁止するといったアプリケーションごとの細かい制御が可能となる。
次世代ファイアウォールの機能にアンチウイルスゲートウェイやアンチスパム、VPNなど他の機能を統合した総合的なネットワークセキュリティ対策機器を「UTMアプライアンス」(Unified Threat Management)というが、次世代ファイアウォールとUTMの境界は厳密なものではなく曖昧で、似たような機能の製品でもメーカーによって製品区分が異なることもある。
(2022.2.25更新)