CaaS 【Container as a Service】

概要

CaaS(Container as a Service)とは、コンテナ技術により仮想化されたシステム基盤をサービスとして提供するもの。一般的にはコンテナオーケストレーションツールと管理下のサーバ群を貸与するクラウドサービスを指す。

コンテナcontainer)とは仮想化方式の一つで、一台の物理的なコンピュータで動作しているオペレーティングシステム(OS)を論理的に分割し、それぞれ独立に動作させる技術である。例えば、一台のサーバで動作しているLinuxを分割し、あたかも複数台のLinuxサーバが動作しているように振る舞わせることができる。

コンテナの作成や起動、撤収、物理サーバをまたいだ移動などは仮想化ソフトによって容易に行うことができ、OSやアプリケーションを導入・展開済みのイメージを用いて迅速にサーバの追加や削減、移転などを実行することができる。

コンテナの数が少ないうちは手作業で一つ一つ管理するのが一般的だが、多数の物理サーバを対象に多数のコンテナを展開するのは大変な工数になってしまうため、インフラとコンテナを一括して監視・管理するKubernetesなどのコンテナオーケストレーションツールを用いて管理することが多い。

CaaSはデータセンターに展開した多数の仮想化されたサーバ群と、コンテナの展開・運用を支援するオーケストレーションツールを契約者に提供するサービスで、稼働規模や稼働時間に応じて課金する。物理サーバなどの手配を行わなくても事業者の設備を用いて柔軟にシステムを拡大でき、常に必要な規模にシステムを維持することができる。

大手ネット事業者によるCaaSとしては、米アマゾンドットコム(Amazon.com)社の「Amazon Elastic Kubernetes Service」(Amazon EKS)や「Amazon Elastic Container Service」(Amazon ECS)、米マイクロソフト(Microsoft)社の「Azure Kubernetes Service」(AKS)、米グーグル(Google)社の「Google Kubernetes Engine」(GKE)などがある。

(2023.10.6更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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