Cisco ACI 【Cisco Application Centric Infrastructure】
概要
Cisco ACI(Cisco Application Centric Infrastructure)とは、米シスコシステムズ(Cisco Systems)社のネットワーク製品に組み込まれたSDN仕様。同社の対応製品間で連携し、物理的な配置や構成とは独立に仮想的なネットワークを構成して運用することができる。SDN(Software-Defined Networking)はネットワークを構成する通信機器の設定や挙動をソフトウェアによって集中的に制御し、ネットワークの構造や構成、設定などを柔軟に、動的に変更することを可能とする技術で、Cisco社では業界標準のOpenFlowと共に独自仕様のACIも推進している。
ACIでは「APIC」(Application Policy Infrastructure Controller)と呼ばれるSDNコントローラが全体の構成を管理する。物理ネットワークとしてはCisco Nexus 9000シリーズのネットワークスイッチをフルメッシュ接続したスパイン/リーフ型ネットワーク(ACIファブリック)が用いられ、VXLANで仮想化される。
管理者が外部ネットワークとの接続やセキュリティ設定などを「ポリシー」として定義すると、APICが管理下のスイッチなどを遠隔から操作・設定してポリシーを適用する。REST API(Northbound API)で外部からリクエストを受け付けることができ、管理者が作成したスクリプトによる操作や管理の自動化、他製品との高度な連携などが可能となっている。
APICは専用のネットワーク機器(アプライアンス)として実装されており、最低3台を連結したクラスタ構成として用いることになっている。いずれかが停止しても残りの機器で運用を継続でき、仮にAPICクラスタ自体が停止してもスイッチ群は現行の設定のまま稼働を継続できる。
(2024.7.18更新)