PCoIP 【PC over IP】
概要
PCoIP(PC over IP)とは、コンピュータの表示画面をネットワークを通じて別のコンピュータに転送することができるプロトコル(通信規約)の一つ。加テラディシ(Teradici)社が開発したもので、コンピュータを遠隔から操作するリモートデスクトップに用いられる。デスクトップ上に表示された領域ごとに内容や更新頻度を認識し、それぞれの特性に合わせて圧縮率や伝送の優先順位に差をつける。文字部分が圧縮で潰れないようにしたり、アイコンやメニューなど操作上重要な部分を優先的に表示するといった制御を行う。
伝送速度が高い場合は精細な表示が可能だが、低い場合でも表示品質を落として伝送遅延を抑え、できるだけ操作性を損なわないよう配慮する。動画を再生する場合はホスト側では描画せず、圧縮ファイルのまま伝送してクライアント側のコーデックで再生する。
PCoIPは3次元グラフィックス(3DCG)の編集やCAD/CAMなどグラフィック負荷の高い作業をリモートで快適にできるよう設計されており、当初はクライアント側に専用の装置を用いる構成だったが、米ヴイエムウェア(VMware)社がリモートデスクトップクライアントの「VMware View」でソフトウェアのみによる実装を提供しており、一般的な構成のクライアントPCなどでも利用できるようになっている。
(2021.2.13更新)