リンククローン 【linked clone】
概要
リンククローン(linked clone)とは、仮想デスクトップインフラ(VDI)における仮想マシンの複製方式の一つで、マスターイメージから利用者ごとに固有の部分のみを複製して個別に管理する方式。使用時に変更しない共通部分は複製せずにマスター側の内容を参照する。VDI(Virtual Desktop Infrastructure)の構築・運用では、管理者が利用者に必要なシステム環境を整備した仮想マシン(VM:Virtual Machine)のイメージファイルを作成し、これを利用者ごとに複製して起動する。
リンククローン方式では、VMイメージのうち利用者ごとに異なる設定や起動後に変更したデータなどを差分ディスクとして保持し、OSのシステムファイルのように個別に変更しない共通部分についてはマスターイメージ本体を参照する。
ストレージ消費量が少なく、ソフトウェアの更新などを一斉に強制的に行える利点がある。共通部分については利用者側で入れ替えや変更ができないため、構成や用途によっては自由度の制約となる場合がある。
フルクローン (full clone)
VDIで仮想マシンを複製する際、マスターイメージを利用者ごとにすべて複製する方式を「フルクローン」(full clone)という。VMイメージの全体を利用者ごとに複製して起動する。共通部分も含め複製するため各利用者にマスターと同じストレージ容量を割り当てなければならない。
イメージ全体が利用者ごとに独立しているため個別にソフトウェア環境を変更しやすいなど自由度が高く、最初にイメージを複製して以降はマスター側にアクセスしないため性能上も有利だが、OSの更新などは個別に適用しなければならない。
(2021.2.11更新)