データプレーン【data plane】フォワーディングプレーン

別名  :forwarding plane/Dプレーン/D-plane

概要

データプレーンとはネットワーク機器や通信システムにおいて、利用者が発信したデータパケット)を実際に転送するための処理や伝送路のこと。機器内部でパケットを高速に転送する仕組みや、ネットワーク上で実データを運ぶ経路そのものを指す。制御情報をやり取りする「コントロールプレーン」と対になる概念である。
データプレーンのイメージ画像

データプレーンの主な役割は、届いたパケットヘッダ情報を読み取り、事前に設定されたルールに従って適切な出力先へ瞬時に送り出すことである。この処理は通信速度に直結するため、ルータネットワークスイッチなどのハードウェアでは専用の集積回路ASIC)などを用いて高速に実行される。システムによっては、パケット改竄チェック、カプセル化や非カプセル化ネットワークアドレス変換NAT)の適用、アクセス制御リストACL)に基づくフィルタリングなどが行われることもある。

これに対して、どのようにデータを転送すべきかというルールや経路情報(ルーティングテーブル)をやり取りし、データプレーンへ指示を出すために用いられる伝送路を「データプレーン」(control plane)「制御プレーン」「管理プレーン」という。データプレーンはコントロールプレーンが決定した方針に従って機械的にパケットをさばくことに特化しており、自ら経路を計算したり通信方針を変更したりすることはない。

この二つの機能を分離する構成は、単体ネットワーク機器の内部構造として用いられることがあるほか、ソフトウェアによってネットワーク構造を動的に変更することができる「SDN」(Software-Defined Networking)や、クラウド基盤、大規模なクラスタシステム移動体通信事業者の基地局間ネットワークなどで採用されている。データを運ぶ経路と管理用の経路を分けることで、ネットワークの論理的な構成を物理的な配線に縛られずに柔軟に変更できるようになる。また、大量のデータ通信が発生しても管理機能の通信が圧迫されず、外部からの不正なアクセスが制御システムへ波及することを防ぐセキュリティ上の効果もある。

(2026.6.7更新)
 

他の辞典等による「データプレーン」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。