Amazon EC2 【Amazon Elastic Compute Cloud】

概要

Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)とは、米アマゾンドットコム(Amazon.com)社のサービスの一つで、同社のデータセンター内のサーバ上に仮想化されたソフトウェア実行環境構築し、顧客に貸与するもの。仮想化技術を応用したレンタルサーバサービスと言える。

いわゆる「IaaS」(Infrastructure as a Service)あるいは「HaaS」(Hardware as a Service)と呼ばれるクラウドサービスの一種で、物理的なサーバコンピュータそのものではなく、コンピュータ上にソフトウェアによって構築された「仮想マシン」(VMVirtual Machine)と呼ばれる仮想的コンピュータを単位として契約者に貸し出す。

契約者は仮想マシン上でLinuxWindows ServerなどのオペレーティングシステムOS)を導入・起動し、必要なソフトウェアを転送して実行することができる。設定・管理作業はWebブラウザや専用のソフトウェアを用いてインターネットを通じてうことができる。

サーバをどのように利用するかは契約者次第で、インターネット上のWebサーバや商用ネットサービスの運用環境などとして利用する例が多いが、インターネットから隔離された専用のエリアを用意するサービス(Amazon VPC:Virtual Private Cloud)を利用して社内の情報システムの運用環境(プライベートクラウド)などとして用いることもできる。

仮想マシンは「インスタンス」(instance)と呼ばれる単位で提供され、CPU性能やメモリ容量などに応じて様々な種類のインスタンスから自分に適したものを選択して契約する。料金は使用時間に応じて算出され、性能が高いインスタンスほど時間あたりの単価が高額である。

Amazon EC2は同社の提供するクラウドサービスAmazon Web Services」(アマゾンウェブサービス)のサービス品目の一つで、他にもオンラインストレージサービスの「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)や、リレーショナルデータベースの「Amazon Relational Database Service」(Amazon RDS)、負荷分散システムAmazon Elastic Load Balancing」(Amazon ELB)など数十のサービスが用意されている。Amazon EC2の他にこれらのサービスを契約して、EC2インスタンスからアクセスして機能を利用するといった使い方もできる。

(2020.4.26更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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