AFP 【Apple Filing Protocol】

概要

AFP(Apple Filing Protocol)とは、米アップル(Apple)社のmacOS(旧Mac OS X)などでファイル共有うためのプロトコル(通信規約)の一つ。ネットワークを通じて別のコンピュータファイルフォルダを公開したり、別のコンピュータファイルフォルダアクセスしたりできる。

旧Mac OSから使われているプロトコルで、当初は同社独自のAppleTalkプロトコル上で動作する仕様として定義されたが、途中からインターネット標準のTCP/IPベースに切り替えられた。正式名称も当初の「AppleTalk Filing Protocol」から「Apple Filing Protocol」に変更されている。

近年のmacOSではファイル共有プロトコルとしてSMBServer Message Block)など他の規格にも対応しているが、macOSファイルシステムは他のOSのものとは異なりファイル本体以外に付加情報(リソースフォーク)を保存する仕組みがあり、AFPはこれを損なったり改変せずにそのまま扱える利点がある。

Apple社製品以外では、UNIX系OSの場合は「netatalk」などを用いて、Windowsでは「Services for Macintosh」(SFU)などを用いてAFPによるファイル共有機能を利用することができる。これらでリソースフォークの内容を完全に維持するのは難しいが、特定の名称のディレクトリを用意するなどして対応しているものもある。

AFPはHFSあるいはHFS+ファイルシステムを前提に設計されているが、2017年の「macOS High Sierra」以降では、仕様を刷新した「APFS」(Apple File System)が導入された。APFSはAFPによるファイル共有には対応しておらず、SMBなどを利用する必要がある。2019年の「macOS Catalina」からはAPFSが必須となったため、実質的にAFPは過去の技術となっている。

(2023.2.22更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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