トークンリング 【Token Ring】 IEEE 802.5

概要

トークンリング(Token Ring)とは、円環(リング)状の接続形態を用いる、LAN(構内ネットワーク)の規格の一つ。1984年に米IBM社開発し、IEEE 802.5として標準化された。通信速度は4Mbps(メガビット毎秒)あるいは16Mbps

金属製の通信線を撚り合わせたツイストペアケーブルより対線)を用いる通信規格で、ネットワークに参加する機器が論理的に一つの輪を描くよう円環状に接続する。物理的には各端末を一つの集線装置に繋ぐスター型の接続形態とすることが多い。

複数の端末が同時に送信を試みて信号が衝突(コリジョン)するのを防ぐアクセス制御の仕組みとして、「トークンパッシング」(token passing)と呼ばれる方式を用いるのが大きな特徴である。データの送信権を表すトークンと呼ばれる信号がリング上を高速で周回しており、送信したい端末はこれを取得して送信を開始する。送信が終わるとトークンを再び放流し、別の端末が送信できるようにする。

アクセス制御CSMA/CD方式を用いるイーサネットEthernet)などに比べ、回線の利用効率は高かったが、円環状の接続形態であることでネットワーク上の一つの端末が他に及ぼす影響が大きく、端末不具合が生じた場合や、追加や撤去などの際の負担が大きいことが敬遠され、次第に使われなくなっていった。

(2018.9.7更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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