読み方 : ゼットティーピー
ZTP【Zero Touch Provisioning】ゼロタッチプロビジョニング
概要

ネットワークスイッチやルータなどをデータセンターや企業内ネットワークへ導入する際、従来は管理者が機器を一度手元に引き取り、初期設定やオペレーティングシステム(OS)の更新、環境固有のパラメータ設定などを手作業で行ってから設置場所へ送り届けていた。機器の台数が増えるほど作業量は膨大になり、設定ミスのリスクも高まる。
ZTPでは、管理者があらかじめ設定ファイルや導入スクリプトをサーバ上に用意しておく。機器は起動時に自動でそのサーバへ接続し、必要なファイルを取得して設定を適用したうえで稼働を開始する。管理者が現地に赴く必要はなく、技術者が常駐する拠点とデータセンターが離れている場合でも、時間とコストを大幅に削減できる。
技術的な実装方式はメーカーごとに異なるが、DHCPを応用した方式が一般的である。機器は出荷時点でDHCPサーバへ問い合わせる設定が組み込まれており、起動時にIPアドレスと設定ファイルの取得先を受け取る。その後、TFTPやHTTPでファイルサーバから設定値やOSイメージを取得し、セットアップが進む。クラウド上の管理サーバと連携してインターネット経由で設定を配信する方式も普及している。
セキュリティ面では、機器が自動で設定を受け取る性質上、サーバ証明書による認証や暗号化通信を組み込んで不正な設定の適用を防ぐ実装が用いられる場合がある。また、機器の識別情報に応じて個別の設定を動的に生成する仕組みや、構成管理ツールと連携して設定を段階的に適用するプロセスが採用されることもある。当初はスイッチやルータが主な対象であったが、現在はサーバやストレージ、5G基地局設備など、様々なインフラ機器の迅速な展開を支える技術として活用されている。
(2026.6.18更新)