仮想NIC 【virtual NIC】 vNIC / 仮想LANカード
概要
仮想NIC(virtual NIC)とは、コンピュータのネットワークインターフェース(NIC/LANカード)の機能をソフトウェア的に再現したもの。仮想化環境における仮想マシンからのネットワーク接続などに用いられる。仮想化環境では一台の物理的なコンピュータの中に複数の独立した仮想マシン(VM:Virtual Machine)と呼ばれる仮想的なコンピュータをソフトウェアによって再現するが、各VMに装着されている(ことになっている)NIC(Network Interface Card)のことを仮想NICという。
VM上で動作するオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフトなどから見ると物理的なNIC(物理NIC)と同じように動作しており、特別な対応をしなくても通常の方法でネットワークに接続することができる。
物理コンピュータ側に仮想NICと同じ数だけ物理NICを用意するわけにはいかないため、仮想化ソフトがコンピュータ内に仮想的なネットワークスイッチ(仮想スイッチ)を設け、物理NICが物理ネットワークへのアップリンクポートのように機能することで外部との通信を可能にする。
VPNの仮想NIC
VPNソフトの中には、遠隔地のネットワークに暗号化された通信経路でダイレクトに接続された仮想的なNICをコンピュータ上に構成する方式を取っているものがあり、これを仮想NICと呼ぶことがある。
PacketiX VPNなどで用いられる方式で、インターネットなどを通じて遠隔地のコンピュータとの間に暗号化された仮想的な専用の伝送路を形成し、端末側にはソフトウェア的に実装されたNICとして接続口を設ける。
このNICは物理的な装置としてのNICと同じように設定や通信を行うことができ、OSやアプリケーションは通常の方法で利用することができる。遠隔地との間でリンク層のレベルで直結された自由度の高いVPNを構築することができる。
(2021.12.29更新)