オーケストレータ 【orchestrator】 オーケストレーションツール / orchestration tool

概要

オーケストレータ(orchestrator)とは、複雑で大規模な情報システムの導入や運用を自動化、効率化することができるソフトウェアサービスのこと。オーケストレータを用いた管理の自動化を「オーケストレーション」(orchestration)という。

ソフトウェアシステムサービスなどの配備や展開、構築、導入、設定、管理、運用などに関わる作業や処理を管理者の作成した設定ファイルなどに基づいて自動化するシステムを指す。主に仮想化環境クラウドシステムネットワーク管理などに関連する技術分野で用いられる。

従来のスクリプトや管理ツールなどが主に個別の要素に対する管理者の指示・命令の自動化を実現するのに対し、オーケストレータは多数の要素で構成されるシステムネットワーク全体を監視・制御し、状況に即してある程度自律的に必要な操作を実行することができる。

管理者は管理に必要な手順や命令を記述する代わりに、望ましい稼働状態を宣言した設定ファイルなどを作成する。オーケストレータは現在の状態から望ましい状態への移行に必要な手順を自ら構成する。このような管理手法を「IaC」(Infrastructure as Code)という。

「コンテナオーケストレータ」「ネットワークオーケストレータ」のように分野や管理対象ごとに専門的な製品が存在し、具体的な機能や仕様は異なっている。通常はソフトウェア製品やその機能を提供するクラウドサービスなどを指すが、稀に事業者が顧客に提供するITサービスの名称として用いられることもある。

(2023.10.9更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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