ハブアンドスポーク 【hub and spoke】
概要
ハブアンドスポーク(hub and spoke)とは、モノや人、情報の流れを効率化するための接続モデルの一つで、中心的な拠点となる「ハブ」から末端の拠点に「スポーク」を伸ばす接続形態。交通や輸送の分野でよく知られる概念だが、通信ネットワークにも応用されている。「ハブ」(hub)は車輪の中心軸(甑)、「スポーク」(spoke)は軸から外周(リム)へ放射状に伸びる棒(輻)のことで、車輪のように大きな拠点を中心に周辺にある小さな拠点を結んだ構造をこのように呼ぶ。
交通や物流で、大都市などにある大きな施設をその地域のハブとして他の地域のハブと高頻度、大容量の交通手段で結び、ハブから周辺の小さな拠点には低頻度、小容量の交通手段で結ぶ。多地点間を網の目状に直接結ぶより遠距離の輸送を効率化することができる。
現代では多くの交通機関や物流システムがハブアンドスポーク方式を採用している。鉄道やバスはターミナル駅やバスターミナルを中心に周辺の拠点を結び、航空会社は大規模空港をハブとして遠距離を大型機で結び、ハブ空港から近隣の空港へ小型機を運用している。海上輸送でも大型船は遠く離れたハブ港湾間を行き来し、ハブ港で荷を小型船やトラック、鉄道に積み替えて周辺地域へ輸送する。
通信ネットワークでも、有線のネットワークスイッチやルータ、無線のアクセスポイントなど中継に特化した機器が周辺の端末と接続され、別の端末やエリアへの通信を媒介する。有線LANの標準規格であるイーサネット(Ethernet)では、専用の中継機器のことを「ハブ」と呼んでいる。
(2024.7.31更新)