クローニング 【cloning】 クローン / clone

概要

クローニング(cloning)とは、複製(する)、模造品(を作成する)などの意味を持つ英単語。一般の外来語としては生物学におけるDNAの複製などを指すことが多い。

環境のクローニング

オペレーティングシステムOS)や仮想化の分野では、あるコンピュータ(や仮想環境)で動作しているOSアプリケーションソフトなどを、設定などを含めまったく同じ状態で別のコンピュータに丸ごと複製し、複製先で同じように動作させることや、仮想化ソフトなどが持つそのような機能を意味する。

一度コンピュータに導入・設定したシステム環境をクローニングすることにより別の機器でまったく同じ環境を再現することができるため、多数の機器に同じシステムを導入しなければならない場合や、稼働中のシステムを移転する際などに用いられる。

ストレージのクローニング

ストレージ外部記憶装置)のクローニングという場合は、媒体内に記録されたデータを同じ配置・配列で別の媒体に丸ごと写し取る操作を指す。ファイルディレクトリのコピーでは複製されない管理領域などに記録された特殊なデータも含めて複製することができる。

例えば、ハードディスクSSDにはファイルシステムの管理する領域の他に、媒体の先頭部分に起動用のプログラムなどが記録されている場合がある。通常のディスクコピーではこうした領域は複製されないが、クローニング専用ソフトを用いることにより他の装置に丸ごと複製することができ、元の装置と同じように導入済みのOSを起動できるようになる。

(2019.4.17更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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