物理マシン 【physical machine】
概要
物理マシン(physical machine)とは、物理的実体としてのコンピュータのこと。ソフトウェア的に構成された仮想的なコンピュータである「仮想マシン」(VM:Virtual Machine)の対義語。コンピュータの振る舞いを模倣し、コンピュータプログラムを解釈して実行する機能を持つソフトウェアのことを、仮想的な機械という意味で「仮想マシン」と呼ぶ。これと対比する文脈で、実際の物理的なコンピュータ自体のことを物理マシンと呼ぶ。
仮想マシンは物理マシンからCPUの処理能力やメインメモリの記憶容量などを拝借して動作する仮想的なコンピュータであり、一台の物理マシン上に複数の仮想マシンを起動してそれぞれ独立に動作させることができる。
物理マシンでオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションを実行せず、仮想マシンを介して処理を行うように運用することを「仮想化」(virtualization)と呼び、外部から見るとあたかも複数のコンピュータが並行して動作しているように見える。
物理マシン上でプログラムを直に動作させる場合に比べ、仮想マシンで同じプログラムを実行すると、仮想マシン自身を実行するために必要とする資源(処理能力や記憶容量)の分だけ性能が劣化する。サーバのように多数のシステムを柔軟に運用したい場合は仮想化によるメリットが大きいが、性能を極限まで引き出したい場合は物理マシン上で直接処理を行う方が適している。
(2023.7.24更新)