VNC 【Virtual Network Computing】
概要
VNC(Virtual Network Computing)とは、ネットワークを通じて別のコンピュータに接続し、そのデスクトップ画面を呼び出して操作することができるリモートデスクトップ技術の一つ。また、オリジナルのVNCを元に開発された派生ソフトウェア群の総称。VNCサーバとVNCクライアントの2種類のソフトウェアがあり、操作される側にはサーバを、操作する側にはクライアントをそれぞれ導入(インストール)する。一台のコンピュータに両方を導入することもできる。
クライアントからサーバに接続すると、クライアントの操作画面にサーバの操作画面がそのまま表示され、まるで手元のコンピュータを操作するかのようにキーボードやマウスでサーバの画面を操作することができる。音声を転送する機能はない。
「RFB」(Remote Frame Buffer)と呼ばれる簡素なプロトコル(通信規約)でデータの送受信を行う。対応ソフトはWindows、macOS、Linuxなど様々な環境に移植され、相互に接続可能となっているため、特にクライアントから異なるオペレーティングシステム(OS)のサーバを操作したい場合には有力な選択肢となる。
歴史
オリジナルのVNCは1999年に英オリベッティ・オラクル研究所(Olivetti and Oracle Research Lab)が開発し、後にGPLに基づきオープンソースソフトウェアとして公開された。オリジナル版のVNCは同研究所閉鎖に伴い開発停止となったが、元の開発メンバーらがリアルVNC(RealVNC)社を創業し、後継版に当たる「RealVNC」を開発・提供している。「VNC」の商標権も同社が保有している。
また、公開されたオリジナル版を元に様々な派生ソフトが開発・公開されており、それぞれデータの圧縮方式や画面描画方式、セキュリティなど、機能や性能の強化・拡張が行われている。各々の独自機能はそのソフトウェア同士の接続でしか利用できないが、オリジナル版同様の基本的な機能のみの利用ならほとんどのソフトウェア間で相互に接続ができる。
(2023.10.13更新)