物理CPU 【physical CPU】 実プロセッサ

概要

物理CPU(physical CPU)とは、仮想化環境において、コンピュータに内蔵されている実際の物理的な装置としてのCPU(マイクロプロセッサ)のこと。仮想CPUと対比する文脈で用いる用語。

ハイパーバイザ型の仮想化技術では、CPUメモリなどコンピュータの持つ資源や能力を論理的に分割し、これを組み合わせて仮想マシンVMVirtual Machine)を構成してOSなどのソフトウェアを動作させる。

ソフトウェアからは仮想マシン上にCPUが動作していてこれを占有しているように見えるが、実際には物理的なCPU装置の処理時間をハイパーバイザが細かく分割して仮想マシンに分配しているもので、これを「仮想CPU」(virtual CPU)という。

このような仮想化なうことで、物理CPUの数を超える数の仮想マシンを同時に起動してそれぞれ独立したコンピュータとして動作させることができ、大量の処理を仮想CPUに処理時間を多めに分け与えるといった効率的な資源配分をなうことができる。

かつては一つの物理CPUが同時に一つのプログラム実行していたが、現代的な設計CPUは内部がそれぞれ独立に動作する「CPUコア」に分割されており、複数のCPUを搭載したのに近い並列処理が可能となっている。さらに、同時マルチスレッディング技術を内蔵した製品では一つのコアで同時に二つの命令の流れ(スレッド)を実行状態に置くことができ、コア数の2倍のプログラムを並行に動作させられる(ただし実効性能は最良で1.3倍程度)。

(2022.2.8更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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