アッテネータ【attenuator】ATT/減衰器
概要
アッテネータとは、電気信号や光信号の強度を意図的に弱め、適切なレベルへ調整するための装置または回路のこと。日本語では「減衰器」とも呼ばれ、“attenuator” の冒頭の三文字を取って「ATT」の略号で示されることもある。信号を増幅するブースター(増幅器)とは正反対の働きをする。

基本的な構成は、抵抗器を組み合わせた受動回路である。外部から電力を供給することなく動作し、入力エネルギーを熱として消費することで信号レベルを下げる。減衰量はデシベル(dB)で表され、内部の回路構成によって決まる。代表的な回路形式にはT型やπ型があり、入出力のインピーダンスを保ちながら目的の減衰量を得られる設計となっている。
電子機器は外部から受け入れられる信号レベルの範囲(ダイナミックレンジ)が決まっており、信号が強すぎると回路の飽和や歪みが生じる。アッテネータを途中に挿入することで許容範囲内に収め、機器の保護や安定した動作を確保する。また、インピーダンス整合、反射波の低減、平衡回路と不平衡回路の接続などにも用いられる。
減衰量が固定された固定式と、用途に応じて調整できる可変式がある。可変式にはスイッチで段階的に切り替えるステップ形と、ダイヤルや電子制御で連続的に変化させる形がある。光ファイバー通信で光の強度を制御する「光アッテネータ」もあり、増幅によって強くなりすぎた光信号を受光素子の許容範囲内に収めるために用いられる。
(2026.5.16更新)