オートマトン 【automaton】 状態機械 / state machine / オートマタ / automata

概要

オートマトン(automaton)とは、計算機の構造や動作を抽象化した数理モデルの一つで、内部に固有の状態と、状態を変化させる規則の集合を持ち、外部からの入力に応じてある状態から別の状態へ遷移するもの。複数形は “automata” (オートマタ)。

オートマトンは一定の規則に従って複数の内部「状態」(state)の間を「遷移」(transition)する仮想的な機械で、現在の状態と入力の組み合わせを規則の中から探し出し、指定された次の状態へ遷移する。規則に該当する組み合わせがなければ同じ状態を維持する。規則は状態遷移表状態遷移図として書き表すことができる。

有限個の種類からなる状態と入力を扱うものを「有限オートマトン」(finite automaton)という。最も単純なモデルであるためよく考察の対象となり、論理回路の設計やプロトコル(通信規約)の検証、言語の構文解析など実用上の応用も盛んに行われている。

有限オートマトンのうち、状態と入力によって次の遷移先が常に一意に定まるものを「決定性有限オートマトン」(DFA:Deterministic Finite Automaton)、次の遷移先が一意に決まるとは限らないものを「非決定性有限オートマトン」(NFA:Nondeterministic Finite Automaton)という。

有限オートマトンに無限の深さのスタックを追加した「プッシュダウンオートマトン」(push down automaton)や、複数のオートマトンを並べて相互作用させる「セルオートマトン」(cell automaton)などもよく知られている。広義には「チューリングマシン」(Turing machine)もオートマトンと一種とみなす場合もある。

(2023.4.26更新)

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