ウェアラブル端末 【ウェアラブルデバイス】 wearable device
概要
ウェアラブル端末(ウェアラブルデバイス)とは、小型の携帯型コンピュータの一種で、体に身につけて持ち運び、身につけた状態で使用するもの。腕時計型(スマートウォッチ)や眼鏡型(スマートグラス)、指輪型などが提唱されている。単に小さく軽いというだけでなく、身体や衣服など身につけるもののどこかに固定して使用することを前提とした装置を指し、携帯ゲーム機やスマートフォンのように手で持って操作するのが前提の機器は含まない。
具体的な形態としては、腕時計やリストバンドのように手首に固定するタイプ、眼鏡やゴーグルのように耳や鼻を使って眼前に固定するタイプ、半透過型ディスプレイで視界を覆って頭部で固定するヘッドギア型(携帯型のヘッドマウントディスプレイ)、靴や衣服に一体化して固定されているタイプ、首から下げるペンダント型、指輪型などがある。
主な機能
現在販売されている(あるいは研究・開発されている)製品は性能は低いながらコンピュータとしての体裁を整え、CPUやメモリ、ストレージ(内蔵フラッシュメモリなど)、外部入出力、通信機能、バッテリー(ボタン電池などで代替することもある)などを高密度に実装している。用途に応じてカメラやGPS、各種のセンサー類を内蔵していることもある。
利用者との入出力には様々な方式が提唱されており、時計の延長線上でボタンを用いるもの、スマートフォンなどと同じように小型の液晶画面とタッチ操作を用いるもの、マイクとスピーカーやイヤフォンで音声認識・音声合成を用いるもの、視線追跡による位置入力を利用するもの(眼鏡型)などが知られている。
歴史
1961年、アメリカでエドワード・ソープ(Edward O. Thorp)氏とクロード・シャノン(Claude Shannon)氏がルーレットゲームに勝つための身に付けられるアナログ計算機および通信装置を開発し、“wearable computer” と名付けた。1970年代頃まで同じ用途の似たような装置の研究・開発が行われていたことが知られている。
1980年代になると、デジタル表示の腕時計にコンピュータとの接続、データ送受信機能を内蔵した初期のスマートウォッチが登場する。1984年の「SEIKO RC-1000」(セイコー)や1985年の同「RC-20」、1994年の「TimeX Datalink」(Timex社)などである。1998年には利用者が開発したプログラムを導入できる汎用コンピュータとしての機能を持つ「Raputer」(SII)が発売され話題となった。
サイズや形態による性能・機能上の制約や操作性の悪さ、実用的な用途の開拓が進まなかったこともあり、ウェアラブル型装置の開発は一旦下火になるが、2010年代になると工場作業者向けの業務用スマートグラスの普及、「FitBit」などのセンサーと連動した運動記録や健康管理などの用途を売りにしたリストバンド端末などで再び注目されるようになった。
2015年には米アップル(Apple)社が腕時計型の「Apple Watch」を発売し、当初はキラーアプリケーションの不足などで苦戦したものの、内蔵センサー類による健康管理、スマートフォンと連動した通知やメッセージの確認、キャッシュレス決済などの用途で一定の普及に成功している。現在では「Google Pixel Watch」など他社製品も含め腕時計型のウェアラブル端末が広く認知されている。
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
- ウィキペディア 「ウェアラブル端末」
- imidas 時事用語事典 「ウエアラブルコンピューター」
- 日経 xTECH Active キーワード 「ウエアラブルコンピューター」
- 日経 xTECH IT基本用語辞典 「ウエアラブルコンピューター」
- 日立製作所 研究紹介 用語集 「ウェアラブル端末」
- ケータイ用語の基礎知識 「ウェアラブル」
- 日本冷凍空調学会 最近気になる用語 「ウェアラブルコンピュータ」
- NTT西日本 ICT用語集 「ウェアラブルコンピューター」
- NTTドコモ docomo business Watch IT用語集 「ウェアラブルデバイス」
- SMMLab 今さら人に聞けないマーケティング用語 「ウェアラブルデバイス」
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 鹿児島県薩摩川内市「薩摩川内市情報化推進計画」(PDFファイル)にて引用 (2021年3月)