リスク対応【risk treatment】
リスク対応とは?

「リスク」(risk)とは、将来発生する可能性のある事象によって目標達成が妨げられる不確実性や、それによって生じる損失、被害のことを指す。情報システムの分野では、システム障害、情報漏洩、不正アクセス、災害による設備停止、人的ミスなどがリスクの例として挙げられる。
リスク対応では、前段の「リスクアセスメント」(risk assessment)によって特定、分析、評価されたリスクについて、それぞれの発生可能性や影響の大きさ、対策に要する費用などを考慮し、どのような方法で管理するかを決定する。施策の実施が必要なものについては、担当者や実施時期、必要な資源を定めた導入計画の策定や実行までを含めて行われる。
対応策はいくつかの類型に分類される。リスクの原因となる活動を中止したり計画を変更したりして発生そのものを避ける方法を「リスク回避」という。管理策の導入や運用改善によって発生確率や被害規模を小さくする方法は「リスク低減」と呼ばれる。複数の組織や部門で損失を分け合う方法は「リスク共有」、保険契約や業務委託などによって損失を第三者へ移す方法は「リスク転嫁」(リスク移転)である。また、対策費用が損失見込みを上回る場合や影響が軽微な場合には、リスクを認識した上で何もせず受け入れる「リスク保有」(リスク受容)が選択されることもある。
どの対応策を選ぶかは、リスクアセスメントで評価された発生確率や影響の大きさと、対応に必要なコストとのバランスによって決まる。一つのリスクに単一の対応策のみが選ばれるとは限らず、複数の類型を組み合わせて対応することも一般的である。新たな脅威の出現や事業環境の変化によってリスクの内容は変わるため、決定した対応策も定期的に見直される。情報セキュリティ管理やプロジェクト管理、事業継続管理(BCM)などの分野では、リスク対応は継続的な管理活動として位置付けられている。