マネジメント予備 【management reserve】

概要

マネジメント予備(management reserve)とは、プロジェクトの計画で設けられる予備の資金のうち、事前にリスクとして認識していない事態が起きた場合に備えて積み立てられたもの。

計画時に将来起こりうる事態として想定していない、あるいは、想定しようがない不測の事態(未知の未知)に対応するために確保された予算の余裕分のこと。PMBOKではプロジェクト総予算には含まれるがコストベースラインには含まれない。プロジェクトマネージャ(PM)の裁量で額を決定したり使用することはできず、プロジェクトスポンサーと協議の上で承認を受ける必要がある。

未知の事態に対応する予算であるため事前に明確な根拠を示して金額を決定することは難しく、「総予算の一律○%」のように決定することもある。また、個々のプロジェクト単位の予算としては計上せず、所属組織(企業や部門など)の経営上の予算として確保・管理し、執行の判断も上級管理者(部門長や経営層など)が行う場合もある。

一方、事前にリスクとして認識されていた事態(既知の未知)が顕在化した場合に備えて積み立てた予算や工期の余裕は「コンティンジェンシー予備」(contingency reserve)という。

(2021.10.16更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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