キャッシュサーバ 【cache server】
概要
キャッシュサーバ(cache server)とは、ネットワーク上であるサーバが外部に提供しているデータの複製を保存し、そのサーバに代わって応答するサーバのこと。また、そのような機能を実現するシステムやソフトウェア。当該サーバの負荷軽減や負荷分散、性能や信頼性の向上などのために設置される。具体的にどのようなサーバのどんなデータの配信を肩代わりするかはシステムの種類やデータ形式、プロトコル(通信規約)によって様々であり、対象や方式を冠して「○○キャッシュサーバ」のように呼ぶのが一般的である。著名な例としてはmemcachedなどのデータベース(DBMS)に対するキャッシュサーバ、DNSコンテンツサーバに対するDNSキャッシュサーバ、Webサーバを代理するWebキャッシュサーバ(HTTPキャッシュサーバ)などがある。
Webキャッシュサーバ (HTTPキャッシュサーバ)
あるWebサーバの配信するWebページや画像などコンテンツの複製を保持し、閲覧者から送信要求があると当該サーバに代わって自らの持つデータを送信するサーバをWebキャッシュサーバあるいはHTTPキャッシュサーバという。
閲覧者側で運用する場合は自ネットワークとインターネットなど外部のネットワークの境界に置かれたプロキシサーバ(HTTPプロキシ)の機能の一部として実装されることが多い。一度閲覧者側に送信されたコンテンツを複製しておくことで、次に同じコンテンツが要求された場合に即座に提供することができる。外部と接続する通信回線が今よりはるかに高価で低速だった時代に、少しでも通信量を節約するためによく用いられた。
サーバ側で運用する場合は一般的なWebサーバにロードバランサなどを組み合わせて構成する場合と、リバースプロキシなどの形で統合されたものを利用する場合がある。オリジナルのWebサーバの内容を複数のキャッシュサーバに複製し、分散して応答することで性能を高めることができ、オリジナルのサーバが停止しても代わりに応答することができる。
インターネット上の様々な場所にキャッシュサーバを設置し、契約した顧客のWebサーバの内容を複製して地理的・ネットワーク的に近い閲覧者に代理応答する配信ネットワークをCDN(Content Derivery Service)という。大規模なWebサイトやWebサービスを運用する事業者は、CDNを利用することにより自社で配信網を整備するより低廉な価格で効率的に配信を行うことができる。