4G 【4th Generation】 第4世代移動通信システム / IMT-Advanced / 第4世代携帯電話
概要
4G(4th Generation)とは、第4世代のデジタル携帯電話の通信方式の総称。一般的にはLTE、LTE-Advanced、AXGP、WiMAX 2などの方式が含まれると理解される。スマートフォンなどでWi-Fiや固定回線に近い高速なデータ通信ができる。携帯電話は最初に実用化されたアナログ方式を「1G」(第1世代)、その次に登場したPDCやGSMなどのデジタル方式を「2G」(第2世代)、21世紀に入り普及したW-CDMAやCDMA2000など高速なデータ通信が可能な方式を「3G」(第3世代)と言う。
「4G」はこれをさらに発展させた第4世代の方式で、LAN(Wi-Fi/Ethernet)や光ファイバー網に劣らない数百Mbps(メガビット毎秒)に及ぶ高速なデータ通信を、場所を問わず高速移動中でも利用できる点が大きな特徴である。主にスマートフォンやタブレット端末、モバイルルータなどで利用される。
日本ではLTE方式の4G移動体通信サービスとして、NTTドコモが「Xi」(クロッシィ)、au(KDDI/沖縄セルラー)が「au 4G LTE」、ソフトバンクが「Softbank 4G LTE」をそれぞれ提供している。
また、NTTドコモはLTE-Advanced方式を「PREMIUM 4G」の名称で、ソフトバンクはAXGP(TD-LTE)方式を「Softbank 4G」の名称で、KDDIグループのUQコミュニケーションズはWiMAX 2方式を「WiMAX 2+」の名称で、それぞれ提供している。
「4G」の名称
無線通信の国際標準化機関であるITU-R(国際電気通信連合・無線通信部門)では当初、4G標準に「IMT-Advanced」の名称を与え、3GPPの策定した「LTE-Advanced」とIEEEの策定した「WiMAX 2」(IEEE 802.16m)がこれに適合すると発表した。
ところが、4Gへの期待感が高まると一部の通信機器メーカーや通信事業者が、俗に「第3.5世代」と呼ばれていたHSPA+方式や「第3.9世代」のLTE方式を4G方式と宣伝し始めたため、ITU-Rが混乱を避けるためこれを追認し、2010年12月にこうした高度化3G規格も4Gと呼称してよいとする声明を発表した。
以後、なし崩し的に次々にLTEを4Gと呼ぶ事業者が相次ぎ、現在ではLTEが4G、LTE-Advancedが4Gと5Gの間を埋める「繋ぎ」のような位置付けになってしまった。
日本では2010年に最も早くLTEサービス「Xi」を開始したNTTドコモはこれを4Gと呼ばなかったが、2012年にLTEサービスを開始したau(KDDI/沖縄セルラー)は「au 4G LTE」、ソフトバンクは「Softbank 4G LTE」といったサービス名を採用した。
ドコモは2015年にLTE-Advanced方式の「PREMIUM 4G」を開始し、あくまでLTE-Advancedを4Gに位置付けていたが、翌2016年にはXiを「4G」、PREMIUM 4Gを「4G+」と表記するよう改め、事実上LTE-Advancedを4Gとすることを認める形となった。