デュプレックス 【duplex】
概要
デュプレックス(duplex)とは、二重の、複式の、二倍の、などの意味を持つ英単語。二者間の通信回線などで、お互いに相手方への送信が可能なものをデュプレックス通信あるいは双方向通信という。一度に片方からのみ発信でき、伝送路を交代で使用することで両方向に通信できるものを「ハーフデュプレックス」(half duplex)、同時に両方向に通信できるものを「フルデュプレックス」(full duplex)という。
また、情報システムの構成などで、同じシステムを二系統用意し、一方を稼働させてもう一方を待機させておく方式をデュプレックスシステム(duplex system)という。二系統を並列に稼働させるデュアルシステム(dual system)と対比される。
デュプレクシング (duplexing)
二重化という意味の英単語で、同じ装置を二重に用意したり、同じ回線を双方向の信号で共用することを表す。
ストレージのデュプレクシングという場合は、コンピュータに同じストレージ(外部記憶装置)を二台接続し、別のインターフェース(コントローラチップや拡張カードなど)から同じデータを同時に記録する方式を指す。
いずれかのストレージ本体やインターフェースが破損してももう一方からデータを復旧することができる。同じインターフェースに二台のストレージを接続して同じ内容を記録するミラーリング(mirroring)よりコストは嵩むが信頼性は高い。
通信のデュプレクシングという場合は、一本の通信ケーブルや一つの無線伝送路などに二つの独立した信号の流れを同時に流せるようにすることを指す。特に、二台の機器間を結ぶ回線で両方向の通信ができるようにすることを指すことが多い。短い時間ごとに切り替えるTDD(時分割複信)、周波数帯域を二つに分離するFDD(周波数分割複信)がよく知られる。
(2018.11.26更新)