3G 【3rd Generation】 第3世代携帯電話 / 第三世代移動通信システム / IMT-2000 / International Mobile Telecommunication 2000

概要

3G(3rd Generation)とは、第3世代のデジタル携帯電話の通信方式の総称。IMT-2000はITU(国際電気通信連合)が1999年に勧告した標準規格の名称で、6つの異なる通信方式が含まれる。

アナログ方式の第1世代(1G)、デジタル方式に移行した第2世代(2G)に続く移動体通信の規格で、静止時で最高2Mbpsメガビット毎秒)、移動時も数百kbpsキロビット毎秒)という高速なデータ通信が可能な点が大きな特徴となっている。これにより通話音質も改善されたほか、テレビ電話やインターネット利用(Webメール等)、携帯電話機向けの情報サービスオンラインゲーム・音楽配信サービス等)、コンピュータによるデータ通信などが活発化するようになった。

通信方式として、日本ではNTTドコモFOMAサービスソフトバンクのSoftbank 3Gサービスで用いられている「W-CDMA」(IMT-DS)方式と、auKDDI/沖縄セルラー)がCDMA2000 1X WINサービスで利用している「CDMA2000」(IMT-MC)方式の2つが有名だが、規格上は他にIMT-TC(中国TD-SCDMAと欧州TD-CDMA)、IMT-FT(デジタルコードレス電話DECT)、IMT-SC(高度化GSM)の3つが規定されており、2007年にはWiMAXが追加された。

3G規格による携帯電話・移動体データ通信サービスでは日本が先行し、2001年のFOMAを皮切りに相次いで開始されたが、欧米先進国では2005年頃から、新興国や途上国では2009年頃から開始されている。2000年代半ばにはHSDPAHSPA)など通信速度を高速化した拡張仕様が発表され、4G(第4世代)との中間的な仕様という意味で俗に「3.5G」(第3.5世代)と呼ばれることがある。

SIMカードの導入

日本では第2世代のPDC方式まで端末に契約情報を紐付ける方式だったが、3G標準では日本以外の2G標準(GSM方式)で採用された加入者情報を記録したICカードSIMカード」が導入され、UIMカードUSIMカード)を端末に差し込んで利用する方式に変更された。

他国並みに端末と契約の分離が進むことが期待されたが、過渡期の措置として端末を特定のキャリアのカードでしか使えないようにする業界慣習「SIMロック」が導入され、3Gサービスが始まり10年近くが過ぎた2010年代になりようやく縛りのないSIMロックフリーSIMフリー端末が一般的に流通するようになった。

次世代の規格

次世代の規格としてW-CDMAを高度化した「LTE」(Long Term Evolution)、さらに発展させた「LTE-Advanced」が構想され、いくつも分かれていた通信方式が統合される方向となった。

当初、LTEW-CDMAの拡張仕様として限りなく4Gに近い「3.9G」(第3.9世代)、LTE-Advanced4Gと呼んでいたが、日本でソフトバンクauが相次いでLTEサービスに「4G」の名称を冠したことなどからLTE以降が4Gであるとみなされるようになった。

3Gネットワーク (3G回線)

第3世代(3G)携帯電話方式による無線通信ネットワークを3Gネットワークという。特に、3Gの高速データ通信を利用したインターネットへのアクセス手段としての移動体データ通信網を指すことが多い。

日本では、NTTドコモFOMAauのCDMA 1X、ソフトバンクのSoftBank 3Gの3つの3G(およびこれらを利用するMVNO)が運用されており、いずれも日本全土をカバーしている。

(2018.9.2更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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