Office Open XML 【OOXML】 OOX
概要
Office Open XML(OOXML)とは、オフィスソフトが利用する各種の文書ファイルのデータ形式を定めた標準規格の一つ。米マイクロソフト(Microsoft)社の提出した仕様に基づき、Ecma International(エクマ・インターナショナル)が標準化した。汎用的なマークアップ言語のXMLを用いて、ワープロソフトや表計算ソフト、プレンぜーションソフトなどで作成・編集された文書をファイルに保存する形式を規定している。
Microsoft社の「Microsoft Office」が取り扱うファイル形式を元に標準化されており、ワープロ文書は「Microsoft Word」の形式(.docxファイル)、ワークシートは「Microsoft Excel」の形式(.xlsxファイル)、プレゼンテーションは「Microsoft PowerPoint」の形式(.pptxファイル)を踏襲している。マクロが埋め込まれている場合は拡張子がそれぞれ「.docm」「.xlsm」「.pptm」となる。
基本的な仕様として、複数のXMLファイルや関連するファイル(埋め込まれた画像ファイルなど)を規定のディレクトリ構造に格納し、全体を単一のZipファイルに圧縮した形式となっている。ファイル名の拡張子は「.docx」などそれぞれ固有の符号になっているが、Zip形式に対応した圧縮ソフトで内部を閲覧したり個々のファイルを取り出すことができる。
同社は従来のバイナリ形式のファイル(.docファイル、.xlsファイル、.pptファイルなど)については仕様を公開しておらず、他社製ソフトウェアとの互換性は限られていたが、Office Open XMLが公開されたことで他社の製品やサービスとMicrosoft Officeとの相互運用性が高まった。
2006年にEcmaによって初版がECMA-376として標準化され、2008年に第2版、2011年に第3版、2012年に第4版が発行された。2008年にはISO(国際標準化機構)とIEC(国際電気標準会議)の合同部会(JTC1)がISO/IEC 29500として標準化した。同じ目的の標準規格に、OpenOffice.org(現Apache OpenOffice)のファイル形式に由来する「ODF」(OpenDocument Format)があり、著名なオフィスソフトやオンラインサービスは両者に対応していることが多い。