読み方:アールエスよんはちご

RS-485 【TIA/EIA-485】

概要

RS-485(TIA/EIA-485)とは、電子機器間でデータ通信を行うためのシリアル通信規格の一つで、RS-232CおよびRS-422の後継規格として1983年に標準化された。低遅延でリアルタイム制御に向いているため、主に産業機器で利用される。
RS-485のイメージ画像

一本の通信路で信号を伝送するシリアル通信を行う規格の一つで、装置の電気的な特性や電気信号の形式など物理層の仕様を定めている。送受信するデータの形式や手順などのプロトコルについては規定していない。

数メートル程度の近距離ならば最高10Mbps(メガビット毎秒)で通信でき、100kbps(キロビット毎秒)程度の低速ならば最長1,200メートルまでの距離を伝送できる。コネクタ形状の規定はないが、事実上の標準としてD-Sub9ピンD-Sub25ピンがよく用いられる。

信号線2本を一対(ペア)にして一つの伝送路を構成する。信号線を2本同時に使用する2線式なら半二重、4線式なら全二重の通信が可能である。通常は半二重で使用される。複数の機器が伝送路を共有するバス型のマルチポイント接続(N:N)に対応しており、最大32台までの機器が同じ伝送路に参加できる。

2つの信号線の電圧の差により信号を伝達する差動信号を採用しており、周囲の電子機器などの発する電磁ノイズの影響を受けにくい。コンピュータネットワーク系の通信規格に比べ低遅延という特徴もある。伝送速度よりリアルタイム性が必要となる、工場やビル内の産業機器間の接続、航空機や車両内の装置間の接続でよく利用される。

(2025.8.30更新)

他の用語辞典による「RS-485」の解説 (外部サイト)