IEC 【International Electrotechnical Commission】 国際電気標準会議

概要

IEC(International Electrotechnical Commission)とは、電気・電子技術に関する標準規格を策定する国際的な標準化団体の一つ。1906年に設立され、約90か国が参加している。本部はスイス・ジュネーブ。各国の産業規格の標準化機関などが参加しており、日本からは産業標準調査会(JISC)が参加している。

電気工学や電子工学、およびその応用分野、関連産業分野を対象に国際標準を定めており、電力システム(発電・送電・配電など)、電気通信、エレクトロニクス・半導体、家電製品、医療用電気機器、映像・音響・マルチメディアなど多岐に渡る分野で標準化活動を行なっている。

傘下に数十の技術委員会(TC:Technical Committee)が置かれ、それぞれの技術分野に関する専門家が集まり議論を行う。TCによっては副委員会(SC:Subcommittee)あるいは技術エリア(TA:Technical Area)という小委員会に分かれている場合もある。例えば、「TC 47」は「半導体デバイス」(Semiconductor devices)だが、「SC 47A」の「集積回路」(Integrated circuits)など4つのSCに分かれている。

IECの制定した規格にはそれぞれ固有の番号が与えられ、「IEC 61508」といったように表記する。規格番号はISO国際標準化機構)の標準との重複を避けるため、60000~79999の整数が割り当てられる。複数のパートに分かれている場合は「IEC 61508-1」のように枝番で識別する。

一部の分野ではISO国際標準化機構)と合同技術委員会(JTC:Joint Technical Committee)を設け、共同で標準化を行なっている。共同の規格はISO側の60000未満の規格番号を用いて「ISO/IEC 10646」のように表記する。コンピュータ・情報技術などを扱う「JTC 1」(1987年設立)と、エネルギーの効率化や再生可能エネルギーなどを扱う「JTC 2」(2009年設立)がある。

(2023.8.5更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。