OPC 【Open Platform Communications】 OLE for Process Control
概要
OPC(Open Platform Communications)とは、工場などで機器を制御するソフトウェア同士を連携するためのインターフェース規格。1996年に米マイクロソフト(Microsoft)社と大手制御機器メーカーが共同で最初の仕様を策定した。現在では業界団体のOPC Foundationが標準化を行なっている。OPC Classic
OLE(Object Linking and Embedding)はMicrosoft社がWindowsなどに組み込んでいたソフトウェア間の連携技術で、OPCではこの仕様を元に、Windowsパソコンを介して各種のアプリケーションと各社の制御機器を連携させる標準的な仕様を定めている。
工作機械や産業機器などの各メーカーは、自社の制御機器にアクセスして通信するためのOPCサーバと呼ばれるソフトウェアを提供する。一方、HMIやSCADA、MES、ERPといった生産計画・管理に関連する各種のアプリケーションには、OPCクライアントの機能を組み込む。
これにより、両者とも相手方のメーカーや製品ごとの個別の仕様に対応しなくても、OPC標準で定められたデータのやり取りを行うことができる。後継のOPC UA発表以降、この当初の規格は「OPC Classic」と呼ばれている。
OPC UA (OPC Unified Architecture)
OLEおよび後継のCOM/DCOMが技術的に過去のものとなり、また、機器やソフトウェア間のより高度な連携を求める声が高まったことから、OPC Foundationでは様々なプラットフォームで等しく利用可能な新たな仕様として2008年に「OPC Unified Architecture」を発表した。OLEやWindowsを前提としないため、名称の「OPC」も “Open Platform Communications” の略に変更された。
OPC UAではJavaなど様々なソフトウェア環境に対応でき、構造化されたデータなど高度な情報モデル、メッセージ層とトランスポート層の階層化および分離、暗号化や認証などのセキュリティ機能などの仕様が盛り込まれた。
OPC UAは国際電気標準会議によってIEC 62541として標準化され、インダストリー4.0の標準参照モデル(RAMI:Reference Architecture Model Industrie 4.0)にも採用されるなど、この分野での有力な標準規格として普及している。