デジュールスタンダード 【de jure standard】 デジュリスタンダード / デジュール標準 / デジュリ標準
概要
デジュールスタンダード(de jure standard)とは、ある技術や製品の仕様などについて、公的機関や標準化機関が定められた手続きや法制度に則って策定した標準規格。日本のJIS規格や米国のANSI規格、欧州のEN規格などが該当し、国際的にはISO(国際標準化機構)やIEC(国際電気標準会議)、ITU(国際電気通信連合)などが定めた規格が該当する。
標準化団体が策定する規格でも、政府や国連などの公的機関が関与する制度的な機関ではなく、企業連合や業界団体、専門家集団などが策定するものは「フォーラム標準」(forum standard)と呼ばれる。
一方、標準化活動に依らず、特定の企業などの製品やその仕様が広く普及した結果、事実上の業界標準のような状態になることを「デファクトスタンダード」(de facto standard)という。
IT業界におけるデジュールスタンダードの例としてはASCIIやJIS X 0201といった文字コード標準などが挙げられる。プログラミング言語のJavaScriptがEcma Internationalによるフォーラム標準(ECMAScript)の策定を経てISO/IEC 16262やJIS X 3060として標準化されたように、デファクトスタンダードが標準化活動によってデジュールスタンダード化することもある。
“de jure” はラテン語の「法律上の」という表現に由来する。標準的なカナ表記が定まっておらず、「デジュール」「デジュリ」のほか「デジュレ」「デジューレ」などと表記されることもある。英語での発音は「ディージュアリ」に近い。
(2022.7.21更新)