コールドスタンバイ 【cold standby】 コールドスペア / cold spare

概要

コールドスタンバイ(cold standby)とは、機器やシステムを冗長化して信頼性を向上させる手法の一つで、稼働中の系統と同じ構成の予備の機材などを用意しておくが、普段は停止させておく方式。

システムを構成する機材が故障などで停止する場合に備え、同じ機材を複数用意しておく手法を「冗長化」あるいは「多重化」(2つの場合は二重化)という。平時に使用する機材を「本番系」「稼動系」「主系」、緊急時に使用する機材を「待機系」「予備系」「副系」「従系」という。

コールドスタンバイでは、同じ構成のシステムを複数用意しておき、通常時に本番系を稼働させておくが、待機系は起動せず停止した状態で保管されている。普段は他の用途で使用している機材を待機系とすることもある。

障害発生時には待機系を起動し、必要な場合は設定作業や移行作業などを行い本番系からの切り替えを行う。数分から数時間で切り替えが完了する場合もあるが、システムの種類や構成によっては数日から数週間を要することもある。障害時に処理途上だったデータなども引き継がれないことが多い。

これに対し、待機系の機器本体やオペレーティングシステム(OS)などは起動状態にしておくが、本番系と同期などは取らず、障害時にシステムを本格稼働させて切り替えを行う方式を「ウォームスタンバイ」(warm standby)、待機系を常に稼動状態にして本番系と同期を取り、障害時に即座に引き継ぐ方式を「ホットスタンバイ」(hot standby)という。コールドスタンバイはこれらの中で最も運用が容易で低コストだが、障害時の停止時間や損失は最も大きい。

(2024.1.11更新)

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試験出題履歴

ITパスポート試験 : 平27秋 問82
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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