ハイブリッドクラウド 【hybrid cloud】

概要

ハイブリッドクラウド(hybrid cloud)とは、クラウドコンピューティングの実現形態の一つで、パブリッククラウドプライベートクラウドを組み合わせたもの。また、仮想化システム上で実行されている仮想マシン(VMVirtual Machine)を、プライベートクラウドパブリッククラウドをまたいで移行できるような運用形態のこと。

企業などがクラウド環境構築する際、自社で用意したサーバ群でソフトウェアを動作させる「プライベートクラウド」(private cloud)を利用する場合と、データセンター事業者などが運用する「パブリッククラウド」(public cloud)をインターネットなどを通じて遠隔から利用する場合の二通りがある。

ハイブリッドクラウドはシステムの特性に応じてこの二つを組み合わせた方式である。例えば、機密データ個人情報などを扱うシステムプライベートクラウド運用し、繁閑の差が大きく処理量が時期によって大きく変動するシステムや、一時的に必要となるシステムパブリッククラウド運用するといったように両者を使い分ける。両者の特性を活かして、一定のセキュリティレベルを確保しながら固定費を削減することができる。

また、クラウドサービスの多くが従量課金であることを利用して、同じシステムを通常はプライベートクラウド運用し、突発的に処理量が増大した時だけパブリッククラウドアクセスを転送して機会損失を防ぐといった手法もハイブリッドクラウドに含まれる。

仮想化技術の分野では、パブリッククラウド上で実行されている仮想マシンプライベートクラウド上のコンピュータに移行させたり、その逆をったりするソフトウェアや機能のことを指して「ハイブリッドクラウド」と呼んでいる場合もある。

(2024.8.25更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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