HLR/HSS 【Home Location Register/Home Subscriber Server】
概要
HLR/HSS(Home Location Register/Home Subscriber Server)とは、携帯電話事業者(キャリア)が加入者に発行したSIMカードの情報を管理するデータベース。HLRは2Gおよび3G携帯電話サービスで用いられるもので、HSSは4Gで同等の役割を果たすシステム。現代の携帯電話サービスでは、キャリアは契約者に識別番号などを記録した「SIMカード」と呼ばれるICカードを発行し、契約者は自身の所有する端末にカードを差し込むことでそのキャリアの設備と交信可能となる。
キャリア側では各SIMカードの契約者の情報や識別情報(IMSIなど)、契約内容(利用可能なサービスなど)をHLR/HSSに登録し、端末から接続要求があるとこれを参照して接続可否やサービス内容を決定する。端末の現在位置(交信中の基地局)も記録し、移動に応じて刻々と位置情報を更新していく。
契約者が海外へ渡航した際に提携先の現地キャリアを利用できるようにする「海外ローミング」などでも、契約者の識別や契約状況の確認のためにSIMカード発行元のHLR/HSSへの問い合わせが行われる。MVNOはHLR/HSSを持たず、回線設備を持つ提携先の大手キャリア(MNO)のシステムに相乗りするのが一般的だが、日本では2018年の制度改正で自前のHLR/HSSを運用する「フルMVNO」となることが可能となった。
(2022.3.28更新)