キャリアメール
概要
キャリアメールとは、移動体通信事業者(携帯電話キャリア)が契約者に提供する電子メールアドレスおよびメール送受信サービス。事業者が用意したドメイン名のメールアドレスを取得して利用することができる。2000年頃に日本型の高機能携帯電話(現在ではフィーチャーフォン、ガラパゴス携帯電話などと呼ばれる端末)が登場した際、インターネットとの間で電子メールを送受信できるサービスとして開始され、現在ではスマートフォン、タブレット端末向けにも提供されている。
契約者は「希望する英数字の文字列@事業者のドメイン名」という形式のメールアドレスを取得し、携帯電話の電子メール送受信機能を用いて事業者のサーバから任意のアドレスにメールを送信したり、他の利用者や外部のアドレスからのメールを受信することができる。
電話番号を指定して文字メッセージを送受信できるSMS(ショートメッセージ)は携帯電話間で短い文字列しかやり取りできないが、キャリアメールはインターネット上のフル機能の電子メールであり、ネットを通じて任意の相手と文字数などの制約なくメールを送受信できる(初期には一通あたりの文字数や添付ファイルなどに制限があった)。
サービス名やアドレスのドメイン名は事業者ごとに異なり、NTTドコモは「iモードメール」および「spモードメール」(スマートフォン向け)で「@docomo.ne.jp」のアドレスを、au(KDDI/沖縄セルラー)は「auメール」で「@au.com」、ソフトバンクは「S!メール」(正確にはMMS規格)で「@softbank.ne.jp」をそれぞれ取得できる。
この仕組みは日本独特のもので、「キャリアメール」という用語も和製英語である。諸外国ではキャリアが提供するメッセージサービスはSMSやMMS、電子メールはパソコン向けなどと同じインターネットサービスを利用するのが一般的となっている。
(2019.9.5更新)